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株式投資は集中投資か分散投資か

結論は、“自分の金なんだから、投資家の自由にしてくれ”だが、私が20年以上個人投資家を見てきた中では、集中投資する投資家のほうが、行動も早く、大きな利益を取る。分散投資する投資家は、行動が遅く、大きな含み損失を抱えることが圧倒的に多い。

集中投資する人は、買おうとする銘柄をじっくり時間をかけて研究し、個別の株の動きをよく知っている。分散投資は、衝動買いが多い。これは、集中投資する投資家の方がリスクに敏感で、分散投資する投資家は、リスク分散を言い訳にしながら、思いつきで売買しているからではないだろうか。

私の経験からだが、数千もある銘柄をフォローできるはずもなく、短期売買志向のトレーダーは、よく研究して、知っている業界や企業の中から選び、それ以外の銘柄には手をださない。同じ銘柄で売り買いのタイミングを探る方が儲かる確率が高いと感じているからだ。

もちろん、相場の世界に教科書などない。個人の投資スタイルもある。ただし、まとまったお金をつくるのは、集中投資であることは私の経験則から断言できる。

株式投資は理論だけでは儲からない

投資理論は重要だが、理論だけで儲かれば苦労しない。もし理論だけで大もうけできれば、理論家はエコノミストやアナリストなんてやらず、得意の理論を駆使して個人資産をたっぷり蓄えようとするに決まっている。金融危機による金融業界の大混乱だって起こらなかっただろう。日常の出来事でも我々にとって最も重要なことは理論で説明できないことが多いが、投資の世界だって同じだ。

しかし、大手投資銀行や証券会社には、一流大学を卒業して、MBAや博士号を持つ優秀なエコノミストやアナリストがたくさんいる。それは、投資の世界に投資家を呼び込むには、それなりの理論が必要だからだ。彼らの展開する理論は、投資のための脚本と考えれば、わかりやすいだろうか？　投資家向けに魅力的な脚本を作り、市場に参加してもらうためだ。

理論に加えて必要なものはなにか？それは、大局観と研ぎ澄まされた感性だ。　新聞や雑誌、情報誌の見出しや表面的なニュースだけを読んで投資していては儲からない。今起きている出来事の裏の意味と対峙することだ。要するに、自分なりの投資手法を確立することだ。

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